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ラトリー+リズム+主義の三位一体説。またの名を『楼堂舎(ろうどうしゃ)』。小説を載せてみたりフリーゲームをレビューしたり、ぼんやり考えてみたり。
by laboratory_1848
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SS『恋の理由』

(ショートショートにつき、上からじわりじわりと読んでいかれることをお勧めします)








「僕が君にひかれたのは、きっと運命だったんだよ」
 そう口にした瞬間、彼女の肩先がびくっと震えるのを、僕は間近で目の当たりにする。
 ああ、やっぱり彼女は分かっているのだなと思う。頭の中では拒否していても、身体全体では充分に理解している。だから、心の奥底に閉じ込めたはずの感情を、僕の前でさらけ出してしまうことになるのだ。
「ねえ、あの時は苦しかったよ。胸がつぶれるかと思った。でもそのおかげで、僕は君への気持ちを確かにすることができたんだ」
 優しくささやいて彼女の額に手を当てようとすると、大粒の汗がにじんでいることに気づく。彼女は今、僕のことだけを考えてこんなに汗を流してくれているのだ。ここまで深く想ってもらえるなんて、僕はなんて幸せなんだろう。男冥利につきるというものじゃないか。
「離れないからね。これからずっと、君が死ぬまで君のそばにいるよ。約束する」
 うう、と小さくうめき声を上げた彼女の顔に手を這わせ、優しくなでてあげる。彼女が決して僕を忘れてしまうことのないように、死ぬまでずっと一緒にいられるように。
 布団に横たわる彼女の姿をもう一度じっくりと眺めてから、僕は壁の向こうにそそくさと姿を消した。


 次の晩も、そのまた次の晩も、僕は彼女への言葉を欠かさなかった。
「やめて、やめてよ! もうあなたの言葉は聞きたくないわ!」
 目を覚まし、首を振って哀願する彼女。その姿がますます可愛らしいものに思えてしまい、やめられなくなる。生まれて初めてだ。こんなにも僕のことを意識して、気持ちをぶつけてくれる人なんて。
「やっぱり、君にひかれたのは運命だったんだ」
 最後にそう告げて、僕は泣き叫ぶ彼女から少し身を置いた。さすがに、面と向かって嫌がられるのは残念だった。だが、いつかは彼女も分かってくれるはずだ。きっと僕を受け入れてくれるに違いない。そんな気持ちを込めて、部屋を去ることにした。


 しばらくして、彼女の住むアパートの一室に警察がやって来た。僕は壁に貼りついて、彼らのやり取りをじっと眺めていた。
「先日、この付近で轢き逃げ事故があったというのはご存知ですよね? 実はその件で、ちょっと簡単にお話をうかがいたいと思いまして――」


 数日後の早朝、彼女は手錠につながれてアパートを出て行った。涙ながらに自分がやったことを認めて、刑事二人に付き添われながらパトカーに乗り込んでいった。
「なんだ、あっけない」
 ぽつりとつぶやいてみて、僕は自分の身体が薄くなってきていることを知る。どうやら彼女に反省の気持ちが生まれたせいで、僕がこの世にとどまり続けることもできなくなってしまったようだ。
「ちょっと、やりすぎたかな」
 やはり物事には、限度というものがあるのだ。死んでしまってからもそのことに気づかないなんて、僕もまだまだ経験が足りなかったってことか。まあ、彼女いない歴が享年とそのまま同じでは、仕方ないことかもしれない。
 朝日が差し込む部屋の中で、薄くなった身体が足元からいくつもの光の粒に分解されて散っていく。そうして胸の辺りがはじけ飛んだ時、僕はあの寒い夜のブレーキ音と、直後に襲ってきた鋭い痛みを思い出していた――

(了)
# by laboratory_1848 | 2007-03-09 01:10 | 短編小説

ブログ開設

男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり
(『土佐日記』紀貫之)

……はい。
そういうわけで。
うまい言葉が思いつかなかったので、日記の大先達の言葉をお借りしました。
ラトリーです。まあ、男なんですけど。

ようやくブログ開設に踏み切ったわけですよ。
流行っている流行っていると世間の風潮を聞き、
いくつものブログサイトをめぐり、
SNSにも手を出しておきながら、
なぜか今にいたるまでブログを立ち上げなかったという事実。
いや、単に面倒くさかっただけなんでしょうけどね。

開設を決めるにいたったのは、やっぱりアレの影響が大きかったんでしょう。
アレ。すなわち、『Elements.』。
仲間内で進めている、ノベルゲームプロジェクトのことです。
これなくしてブログ開設はなかったな、と。
でもって、作品完成なくしてこのブログの存在意義はないな、と。
そんな気持ちでやっていこうかと思ってみたり、みなかったり。
うーん、どうもはっきりしません。

それにしても。
不特定多数に向けて書く日記って、慣れないものですね。
まあ、いいや。
とりあえず不肖ラトリー、ブログ運営一から頑張っていきたいと思います。
姿の見えない皆様、どうぞよろしくお願いします。
と、しばらくはどこにもリンクを張らないでやっていくことになるのかな。
# by laboratory_1848 | 2007-03-09 00:54 | その他

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# by laboratory_1848 | 2001-01-15 11:40